2018年6月公開で観に行きたい映画
尊敬する三角絞めさんにならって6月公開予定で観に行きたい映画を記録しておきます。
6月公開ではトータル19本。。。
名画座でも観たいものが多い。特に早稲田松竹の『勝手にふるえてろ』は絶対に行く。
『アイ・トーニャ 史上最大のスキャンダル』が最高だったマーゴット・ロビー主演の『死の谷間』は公開されるのを知らなかったけれど観に行く。
その他、南アフリカのホームレスの少年がスケートボードでカリフォルニアを目指すドキュメンタリーの『アイ・アム・タレント』はじめノーチェックだったけど面白そうなものが多い。
改めてリストにすると候補の多さに震える。。。頑張ってアフターファイブで解決しよう。
情報源はシネマトゥディから
https://www.cinematoday.jp/movie/release/201806
(数字がふってあるものが観たい映画)
6月1日公開
①『デッドプール2』
△『50回目のファーストキス』
②『レディ・バード』
③『バーフバリ 王の凱旋 完全版』
④『ビューティフル・デイ』
△『OVER DRIVE』
6月2日公開
△『馬の骨』
⑤『METライブビューイング2017ー2018 サンドリヨン』
△『修羅の華』
△『最初で最後のキス』
△『PEACEMAKER』
△『EVEN 君に贈る歌』
6月8日
△『羊と鋼の森』
△『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』
△『Vision』
⑥『万引き家族』
⑦『英国ロイヤル・オペラ・ハウス「バーンステイン・センテナリー」』
△『30年後の同窓会』
△『WAKITA PEAK』
6月9日公開
△『あさがおと加藤さん。』
△『終わった人』
△『オンネリとアンネリのおうち』
△『榎田貿易堂』
△『曇天に笑う<外伝>』
△『トウキョウ・リビング・アイドル・デッド』
⑧『ザ・ビッグハウス』
△『それから』
△『リディバイダー』
6月15日公開
△『空飛ぶタイヤ』
△『メイズ・ランナー 最後の迷宮』
△『劇場版ドルメンX』
△『ワンダー君は太陽』
⑨『ニンジャバットマン』
△『ゲッペルスと私』
△『夜の浜辺でひとり』
△『傀儡』
△『フジコ・ヘミングの時間』
△『母と言う名の女』
△『リミット・オブ・アサシン』
△『V.I.P 修羅の獣たち』
△『ゆずりは』
△『第二警備隊』
△『スパイナル・タップ』
△『ALONE』
⑩『ダークサイド』
6月22日公開
△『ごはん』
△『キスできる餃子』
△『店名の城』
11『焼肉ドラゴン』
△『オンリー・ザ・ブレイブ』
△『ウタモノガタリ』
6月23日公開
△『ブリグズビー・ベア』
12『カメラを止めるな!』
13『死の谷間』
△『世界で一番長い写真』
△『猫は抱くもの』
△『告白小説、その結末』
△『ガザの美容室』
△『祝福 オラとニコデムの家』
14『マッド・ダディ』
△『わたしに××しなさい!』
△『女と男の観覧車』
△『アンダー・ザ・ドッグ ジャンブル』
6月29日公開
△『アメリカン・アサシン』
15『アイ・アム・タレント』
17『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』
6月30日
△『パンク侍 斬られて候』
△『明日にかける橋1989年の想い出』
△『それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』
△『ワンダーランド北朝鮮』
△『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』
18『正しい日 間違えた日』
△『名前』
△『審判』
19『少女邂逅 』
△『モダン・ラブ』
(読書記録)『下り坂をそろそろと下る』平田オリザ 著 (講談社現代新書)
著者の平田オリザさんは演劇の世界では超有名人。
日本で最大級の演劇団体である青年団を率いつつ、行政にも関わり教育や地方のあり方に対して積極的な活動をされている。「超」がいくつあっても足りないほどの超人で、年中、世界中あちらこちらで公演・講演会・ワークショップ・執筆などなど様々なところでその姿を見かける。
自分もなんどかワークショップに参加したりしてお話ししたこともある。印象的だったのは1ヶ月に渡って演劇創作のワークショップに参加した時のこと。
自分を含めて数人が1週間くらいかけて考えてきた物語のプロットを読んでもらった時、ほんの数秒しか見ていないのに前回と比べてどこが変わって、どこが良くなってどこが悪くなったか、そしてそれを解決するためにはこういう考え方があるよと幾つも提示された。
印象としては読むというより「スキャン」していたという言葉の方が正しい。それくらい一瞬だったのだけれど指摘の全てが的確すぎて全てを見抜かれていた。頭のいい人にはいっぱい会ったけど、平田さんはその中でも別格。
著書を何冊も出されているけれど今回読んだ『下り坂をそろそろと下る』は2年前に出版された本。実はすでになんども読んでいるけど、平田さんの本は読むたびに新しい発見があるのでほかの著作も含めて定期的に読み返している。
「まことに小さな国が、衰退期を迎えようとしている」
『坂の上の雲』の出だしを改変した一行で始まるこの作品は、下り坂を降り始めた日本がとるべき道を提言する日本論になっている。
実際に日本中を飛び回り、そこで見てきたそれぞれの地域の取り組みの事例の中にピークを過ぎた日本にとってのヒントが詰まっている。
瀬戸内海の小豆島、城崎国際アートセンターで有名な豊岡、東日本大震災後の女川・双葉など、地理的に東京などと比べて圧倒的なハンデがある中、そこにしかないものを見出しそれを外に向けてアピールすることで道を切り開いている様子には頼もしさを感じる。
とはいえ、本書のメッセージは別に「今は衰退していても工夫次第でこれからもバリバリやれるぜ!」という類のものではなく、果てしない後退戦を耐え凌ぐかというところにある。
「おそらく、今の日本人にとって、最も大事なことは、「卑屈なほどのリアリズム」を持って現実を認識し、ここから長く続く後退戦を「勝てないまでも負けない」ようにもっていくことだろう」(p220)
という一文に象徴されるように、バブル期のような夢(私は経験していないんですけどね)を追いかけたり、太平洋戦争時のように自分たちを過剰に評価して無謀な道を選ぶことをせずに、いかに成熟した国になることがアジアという地域においても大事か、そしてそのヒントはあちこちに、特にいままで日本では軽視されてきた文化的な文脈・営みのなかにあるということをわからせてくれる。
先に書いたようにバブルを経験していない生まれた時から右肩下がりの状況に置かれている自分にとってこの主張はすごく腑に落ちた感覚。
いまものすごい勢いで広がっている、働き方に関する意識改革だとか、地方での活動だったり事業だったりはたぶんそれを当たり前のように持っている人たちがどんどん社会の中心になってきていることの証明のように思う。
まだ当分、会社が人生にとって大きな割合を占める考えが主流だろうけど、それとは違う生き方・あり方を肯定してくれる人が増えればきっと成熟した国になれるのではないか、そんなことを思った。
なんか、国のこと考えるとか真面目なことだけ書いて終わるのはいやなので、ゴリラとオオカミとワニが大きくなって街を破壊する最高の映画『ランペイジ巨獣大乱闘』をお勧めして終わります。
(鑑賞記録)どいつもこいつもクズばかりだけど・・・『アイ・トーニャ 史上最大のスキャンダル』
本作が元にしている1994年に発生したナンシー・ケリガン襲撃事件は世代的に全く知らなくてあまり興味がなかったものの、人に勧められた映画は全部観る派なので行ってきました。
結果、めちゃめちゃ面白かったです。
雑にあらすじを書いておくと、アメリカ人として初めてトリプルアクセルを決めた実在のフィギュアスケーターのトーニャ・ハーディングの半生を描いた映画。
トーニャ・ハーディングはオレゴン州の貧困家庭に生まれ、幼い頃から家庭内暴力に晒されながら実績を積み重ね、オリンピックへの出場を決めるもののライバル選手のナンシー・ケリガン襲撃事件に関わった容疑でスケート界から永久追放された。
映画は襲撃事件を話のクライマックスを置き、擬似インタビューで過去を振り返るの体を取りながらトーニャが生まれ育った環境を描く。
この環境がなかなかに壮絶な貧困。「貧乏と貧困は違う」とは湯浅誠さんの言葉だけれどその言葉通り、文字通り構造的に豊かさや安心・安全から隔絶された環境。そこから抜け出す唯一の希望として母親に半ば強制されたスケートという道を突き進んで行くトーニャの姿をものすごいテンポ感で描いていく。
言葉を選ばず言うなら、どいつもこいつもクズばっかり。
話の中心になるDV母親とトーニャのDV夫、その友達の自称「テロ対策のエキスパート」は特に。
(映画で観るクズほど面白いものはないので上は褒め言葉)
常に暴力をふるい続ける母。一回だけ優しい顔をしたかと思えば・・・
マーベル映画での役(バッキー)から一転。最低男を演じる
映画用にだいぶ誇張されているのかと思えば、そのままだったという電波男。ただ、直接描かれないけど彼がそうなってしまった背景に思いをはせると少し同情してしまう。いや、同情の余地はないんだけど・・・・
そんなクズに囲まれたトーニャも生きて行くために歯を食いしばってスケートにしがみついて行く。
ただ、スケートに求められる「品」を備えていないが故に干されて、スポンサーもつかず、ウェイターで生活費を稼いで闘う。
20歳そこそこなのにこの状況。
そしてそこから起こるライバル選手への襲撃事件。
映画では本人たちの証言の食い違い・矛盾まで映像化しているのでトーニャたちがどこまで関与していたか正直わからない。ただ、トーニャが置かれていた壮絶な環境とラストで流れる実際の演技映像の美しさのギャップに完全に涙腺を持っていかれた。
襲撃事件の司法取引でスケート界を追放されるトーニャ
スケートシーン含めて、とにかく演出がキレッキレでまったく飽きずに最後まで集中して見れた。反動で帰りの電車で疲れて爆睡でしたが。
主演のマーゴット・ロビーが自身のキャリアを広げるために製作にも参加していたり、作り手の熱量が普通にとっても面白い題材を二段も三段も上のレベルの映画に押し上げた大傑作。たぶん、これから何度も見返すことになると思います。
(左)マーゴット・ロビー、(右)実際のトーニャ・ハーディング
何も起こらないのにドラマチック『粛々と運針』(iaku 演劇作品集)(鑑賞記録)
粛々と運針
iakuは大阪を中心に活動する劇作家・演出家の横山拓也さんが立ち上げた演劇ユニット。全国各地で公演を行うなど活動地域が広い。大人の鑑賞に耐え得るエンタテイメントを掲げている。
名前はずっと前から聞いていたけど、観に行く機会がなく今回やっと行けました。
とはいえ、今回は演劇作品集という建てつけで4本上映のうちの1本、『粛々と運針』に行けただけ。『粛々と運針』は札幌公演も決まっている。
舞台装置は極めて簡素で椅子のみ。3つの物語が舞台上にあり、それぞれの差は照明で表される。
物語はそれぞれ「母親の体調が思わしくない40歳近くの兄弟の会話」「妊娠したかもしれない30代後半の夫婦」「素性はわからない年齢不詳の女性ふたり」の3つ。
いわゆる会話劇で派手な展開はない。問題は幕があがる前からそこにあって、解決もなにもせずにずっとそこにある。ただ、問題に対するそれぞれの葛藤が垣間見えるだけ。それがめっぽう面白い。
舞台上で扱われるのはおそらく30歳を過ぎたあたりから誰もが直面せざるをえない問題なので特段の真新しさはないし、突飛な意見が出るわけでもない。それなのに面白い。
人間の葛藤を丁寧に描くだけで十分ドラマチックであることを証明するような舞台。
何も起こらないけどドラマチック。
この演目は札幌のほか、9月に相模大野で公演があるなどたぶんこれからもずっと再演が続けられる作品。
大学生の時に見ていたらもしかしたら、何が面白いのか全くわからなかったかもしれない。
年齢を重ねるとまた見え方が変わりそう。10年後に挑戦したい。
【iaku公式web】
www.yokoyama-iaku.com/index.html
【作品情報】
「粛々と運針」
作・演出/横山拓也
出演/尾方宣久(MONO)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、市原文太郎、
伊藤えりこ(Aripe)、佐藤幸子(mizhen)、橋爪未萠里(劇団赤鬼)
来週(5/27ー6/2)の予定
来週(5/27ー6/2)の予定
雑に来週やろうとしている事を書いておきます。
映画
1;『アイ・トーにゃ 史上最大のスキャンダル』
2;『私はあなたの二グロではない』
3;『29歳問題』
4;『デッドプール2』
5;『港町』
本
1;『デジタルマーケティングの教科書』
2;『コンテンツマーケティングの教科書』
3;『下り坂をそろそろ下る(平田オリザ)(5回目くらい)』
4;『さよならニルヴァーナ(窪美澄)』
5;『データサイエンス入門』
6;『日本の気配(武田砂鉄)』
これまであんまり触れることがすくなかったデジタルマーケティングを仕事でやることが多くなったので、マーケティングを全体的に学び直し。
もうすぐボーナスが入ると投資金額が大台を超えるので、基礎を忘れないために水瀬さんの本を復習。
映画は人からオススメされた映画と想田監督の新作が公開される前にまだ観ていない『港町』を観ておきたい。
仕事が残業だらけになるのは目に見えているけど、これくらいは観る・読んでおきたいので逃げないよう宣言しておきます。
楽曲は最高なんだけど・・・『グレイテスト・ショーマン』(鑑賞記録)
ずっと見逃していて、もう配信もはじまりブルーレイもリリースされたタイミングだけれどまだ映画館でやっていたので観てきました。
楽曲は最高だけど言いたいことが色々残る映画だけど最高なんだけど、、、というぐるぐるした感情が残りました。
実在の人物であるサーカスを設立したことでも有名なP.T バーナムの半生を描いたミュージカル映画。
楽曲に関しては“This is Me”を始め、力強いリズムに裏打ちされた素晴らしいものが揃っている。ミュージカルシーンはせっかく映画でやるんだから下手に長回しとかはやらなくていいと思っているのでこの作品の細かく切って魅せるところはしっかり見せるというやり方は大好き。
みんな大好きヒュー・ジャックマンが歌って踊っているだけで幸せでした。
一方で、ストーリーは結構ダイジェスト感が強くて早足でバーナムの生涯をさらっとなぞった感が強い。肝心のバーナムもわりとトントン拍子にいくし、結構周りを傷つけているのにさくっと許されている。
実在の人物がモデルなんだからしょうがないとはいえ、登場人物もう少し絞って一人一人にスポットライト当てられないものかと。
全員が映画の核になれているようでなれていない、楽曲の力強さに負けている。
ひとつで一本の映画を作るに足るテーマがてんこ盛りだったから最終的にぼやけてしまって各ミュージカルシーンの素晴らしさが活かしきれなかったのが残念。
とはいえ、ミュージカルシーンは映画館で観るべき名シーンだらけなのでまだぎりぎりやっている映画館がある今のうちに観ることをオススメします!
本編後に流れるメイキング映像 鳥肌がたった
新しいのに懐かしい暴力映画『孤狼の血』(鑑賞記録)
残業で遅くなってふらっと映画館によったらちょうどよく上映が始まるところだったのでそのまま鑑賞。
監督の白石和彌監督の作品は『凶悪』と『日本で一番悪いやつら』を観ているくらい。
とはいえ、『日本で一番悪いやつら』は定期的に見返すくらい好き。
不正行為に溺れていく警官の半生を描くことで、何もしらない純粋な存在が経験を積んで変化していく様子のテンポの良さと切れ味に痺れた。
本作も『日本で一番悪いやつら』を連想させる、不良刑事が違法行為をものともせずガンガンと捜査を進めていく警察もの×ヤクザ抗争ものといったところ。
昭和最後の年(昭和63年)の広島を舞台に拮抗する二つの組と警察の抗争を描く。
主人公は違法捜査もいとわない中年刑事と新米エリート刑事。新米エリート刑事が違法捜査にはじめは反発を覚えつつも、徐々に共感していきやがてその役割を引き継いでいくというわりと王道の相棒ものストーリーを辿っていく。
『日本で一番悪いやつら』ではほとんどが一人の警官の視点で進んでいたけれど、今作は相棒もので、対立構造(中年刑事&新米刑事、警察&ヤクザ)がよりはっきりしている印象。
『アイアム・ア・ヒーロー』で物凄い特殊メイクを見せた藤原カクセイさんが参加されているということで、暴力描写が格段に進化している。特に後半のある人物の変わり果てた姿はかなりショッキング。あそこまで○○○をはっきり映した映画はあんまり記憶にない。
最近の暴力映画の傑作『アウトレイジ』シリーズは割とカラッと淡々と進んでいたけど、こちらは映画全体がじめじめとした陰鬱な雰囲気。その中で生命力をむき出しに暴れまくる登場人物たちは全員魅力的。
スタイリッシュさはないけど生命力に溢れた暴力映画はなんだか新しいのに懐かしい。