【鑑賞記録】ラストのドヤ顔が必見『クワイエット・プレイス』
「音をたてたら、即死」のキャッチコピーが印象的な『クワイエット・プレイス』を観てきました。
物語を盛り上げるためにちょっと都合よい設定が多い印象もぬぐえないけど、ラストの反撃手段をみつけたエミリーブラントのドヤ顔を観るだけで大満足の一本でした。
舞台は、謎の侵略者によって支配され荒廃した世界。
そんななかで生き残った夫婦とその子供たちからなる一家が中心となりストーリーが進んでいく。
侵略者は音に反応して攻撃してくるため、絶対に音を発さないよう生きていくことを強いられる。
「音を立ててはいけない」というルールを設けることにより、映画全体に最初から最後まで緊張感が漂いっぱなし。なにしろ会話はもちろん、なにかを落とした物音にも反応して、どこに潜んでいるかわからない侵略者たちが攻撃しに来るものだから生きていくだけで緊張を強いられる。
足音を立てないように裸足で移動したり、会話は手話だったり、警戒状態になったことを光で表現したりと音をたてないような工夫が随所にみられてそういう細かい設定を観るだけでも楽しい。
ルールをひとつ加えるだけで世界の見え方とあり方が変わることをうまく活用している。
具体的に恐怖の対象を明確に見せず、「音をたててはいけない」ことから生まれる緊張感を持ったまま前半で世界観と状況をうまく説明して登場人物へ感情移入へと導く。後半ではそんな状況と葛藤を活かしたアクションがメインのパートへと移行し、ラストでは究極のドヤ顔へと着地するとてもきれいな構成。
ただ、気になるところも結構あって、侵略者(バイオハザードシリーズのモンスターであるリッカーぽい)があんな敏感な耳を持っているなら心臓の音とか聞き分けられるのでは、とか釘の伏線があまりにもわかりやすかったり、物語を盛り上げるためにちょっと都合よい設定が多い印象もぬぐえない。
ただ、穴が多いものの「音を立ててはいけない」世界で生きる一家という設定の面白さそしてなによりラストの反撃手段をみつけて「これでやつらを根絶やしにできる」的な嬉しそうな顔をしているエミリーブラントの嬉しそうなドヤ顔を観るだけで大満足。