【講義メモ】『脚本療法』とはなにか? 三宅隆太監督@アトロク
TBSラジオ「アフター6ジャンクション」に三宅隆太監督が出演していたので放送内容をかいつまんでまとめておきます。
三宅監督は映画監督・脚本家その他いろいろな肩書きをお持ちですが今は省略。「スクリプトドクター」という職業を日本に認知させた方。
「スクリプトドクター」は脚本のお医者さんと言われる職業で、様々な理由で迷走する脚本を救うことを仕事にしています。
自分も2年ほど前、三宅監督が半年ほど担当されていた連続講座を受講し、その仕事の面白さに深く感銘を受けた。(詳しくは三宅監督の著作をチェックしてみてください。どれも一読の価値あり!)
出演回すべてが面白い三宅監督がアトロク初出演のテーマは「脚本療法」。
以下は聞いている時にとったメモです。走り書きなので三宅監督が意図したことと違う可能性がありますのでご留意ください
↓で放送音声聞けます
============放送内容メモ============
○脚本家のある人が、映像化されない脚本に価値はないと言っていたが本当にそうなのかと考えたのが、「脚本療法」のはじまり
○自分を固くした(時間を止めた)人物と似たような環境を脚本で配置して自分の人生を相対化することで気づきを得て、止まっている時間を動かしていくことができるのではないか
○自分で気づいたものは強いものになる。外から言われたことではなく、自分の気づきが重要。気づくこと、を手助けする
○面白いのが、気づきを得た人間は「満足して」余裕ができることで自分の執着から離れて他人の視点に興味をもつことがやりやすくなる傾向にある
○何度もセリフを書き換えていくと、登場人物が自分から離れていってしまう。形にはなっても気持ちの面でついてきていない脚本になってしまう
○小説でも同様のアプローチができるのかもしれないが、脚本のほうがやりやすいのではないか。それは、脚本は物語を進めるために登場人物が「 アクション」を起こさなければいけないから。脚本は時間の中で何かをしなければならないが、小説は自己凝視だけができてしまう自己凝視だけしているとお話が進んでいかない
○登場人物を目に見える形で行動させることでそれを相対化した形で見ることができる
○脚本は主観的なようであってそうではない。常に社会や他者との軋轢があってこそ物語が進むもの
○現実世界でいきなり社会や他者との軋轢を経験することはきついので擬似的に脚本を書くことで準備ができるのではないか
○(三宅さんの場合は)女性を(というよりも異性を)主人公にした方が脚本が描きやすいと感じる。男性が主人公の作品を書くと、普段自分が感じている負担や同調圧力が自意識としてセリフを書く上で邪魔をしてくる
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放送後記
https://www.tbsradio.jp/257724
三宅監督の著作
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