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【舞台】物語を語るうえで適切な表現方法について考えた『オシャレ紳士のエポック・メイキング・ストーリー』@座・高円寺2

(この記事はわりと厳しめのことが書いてあるので読む方はその点ご注意ください)
 

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画像は公式サイトより

 
平日18時の公演@高円寺というかなり会社勤めにはきつい時間でしたが無理やり行ってきました。
 
「おしゃれ紳士」は 2002年に日本大学芸術学部演劇学科の同期男性メンバーで結成されたカンパニー。活動休止期間を経て08年に再始動し今に至る、という活動歴のかなり長い団体。
 
今回の公演は10周年記念の第二弾公演という位置づけ。
名前は聞いたことがあったけれど実際に観るのは初めて。
 

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黒のパンツに上半身は裸にネクタイという男たちがダンスでストーリーを進めていく
 
座・高円寺2という客席数300近いかなり大きめな劇場。さすがに平日18時という時間帯が厳しいのか空席もちらほら。
 
ダンスで物語を進めていく代表としては「梅棒」という最強のエンタメ集団がいるのでどうしてもそこと比較しながら観てしまった。
 
 
結論としては、かなりあらが目立つ公演だった。
 
 
誰もが聞き覚えのある楽曲を爆音で流しながらダンスで物語を紡いでいく、という手法なのだけれど先に挙げた「梅棒」は特別な場合を除いて演者が台詞を喋ることはない。
それはダンスで物語を語るという意志と圧倒的な技術がそれを可能にしている。
 
ただ、今回の『オシャレ紳士のエポック・メイキング・ストーリー』ではかなり中途半端な手法がとられていた。
 
普通に演者が喋る。
 
それも結構大きめのBGMの中だから相当聞こえづらい。
 
割と激しいダンスの間に話すので、演者も息が上がっている状態でそれが一層聞こえづらくしている。
 
喋る→ダンス→喋る→ダンス→喋る→ダンス
 
上記のように交互に表現手法が変わるのだけれどダンスシーンと喋るお話のパートの関係が特に前半はさっぱりわからなくて、なんのためにダンスシーンがあるのか理解できなかった。(自分の理解度が低いのが原因だとは思うけれど)
 
ダンスシーンは集団で踊る楽しさみたいなものが散りばめられていて悪くはないんだけれど、必然性が良くわからない中で何曲も連続で踊られてもストレスを感じる。
 
激しくて曲調の似ている曲も連続するのでイマイチ全体の中で今どこにいて、作り手はお客さんにこの場面でどんなテンションになってほしいのか考え込んでしまった。
 
今年の前半に観た梅棒の『Shuttered Guy』は2時間の中で使う楽曲の構成が上手くて物語の起伏がきれいで物凄く観やすかった。そのうえ、良くも悪くもストーリーも登場人物もシンプルでそこにダンスが絡むことで強度のある物語になっていた。
 
『エポック・メイキング・ストーリー』は漫画家志望の主人公がヒーローを生み出せる不思議なペンを手に入れて、そこに漫画の師匠の死があり、自分の劣等感とかと向き合って・・・・とそれなりに複雑。
そのわりに台詞で物語が進む時間が少ない上にダンスで情報を与えることもほとんどしていないので、お話を追えないし登場人物もよくわからない。
 
結果、最後のほうで台詞でたっぷり数分間くらい心情を吐露するのだけれど、ダンスを最大の表現手段としている(様に見える)カンパニーが台詞であれこれ語るのっていいのだろうか。
 
他の作品を観ていないからこのカンパニーについては言えないけれど、少なくともこの物語を語るうえでダンスは適切な表現方法ではなかったのでは。
 
色々書きましたが単純に踊れる人はそれだけで憧れるし、ダンスひとつひとつは工夫が散りばめられていて楽しいので次回公演も観に行きます。
 
 
最強のエンタメ集団「梅棒」の映像。べたべたなストーリーだけどダンスの力と相まって凄いことになっている