巨人の肩に乗るのも大変なわけでありまして

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【観劇記録】『三文オペラ』@KAAT(神奈川芸術劇場)

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【あらすじ】
マクヒィス(松岡充)は、乞食商会社長ピーチャム(白井晃)のひとり娘ポリー(吉本実憂)をみそめ、その日のうちに結婚式を挙げる。それを知ったピーチャムとピーチャム夫人(村岡希美)はなんとか別れさせようと、マクヒィスと長年の親友同志である警視総監タイガー・ブラウン(高橋和也)を脅し、マクヒィスを逮捕させようとする。両親の企みをポリーから聞いたマクヒィスは、逃げると称して娼館に立ち寄るが、そこで昔なじみのジェニー(貴城けい)に裏切られ、逮捕されてしまう。牢獄に入れられたマクヒィスをたずねたポリーと、マクヒィスといい仲になっているブラウンの娘ルーシー(峯岸みなみ)が鉢合わせすると、二人の嫉妬の口論を利用し、マクヒィスはまんまと脱獄するが・・・

(引用元:KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 『三文オペラ』|KAAT 神奈川芸術劇場

)

 

 

観に行ったのは演出の谷賢一さんを尊敬しているから。

谷さんが古典の音楽劇、しかもそれをKAAT(神奈川芸術劇場)でやるとなったら面白いに決まっている。

三文オペラ』という戯曲の歴史的な意義をドイツ文学者の友達に講義してもらい、万全の状態で仕事を早々に切り上げて観てきました。

 

作者のブレヒトは場が始まる前に、そのあと起きることを字幕で説明するなど、観客を感情移入させない手法を好んでいたとのこと。狙いとしては感情移入でなく、これから何が起こるかを知ったうえで観客が登場人物たちの行動を観て・考えさせることを目的にしている。

 

今回の『三文オペラ』もその字幕という手法を用いつつ、その手法をあらたな表現手段へと昇華させていた。新たに付け加えられた「心躍る」ハッピーエンドのなんと皮肉なことか。

劇場も、観客もすべてを敵に回し徴発してくる作品。

演出も、劇中の音楽もきっといろいろな引用がなされているのだろうけど、学のない時分にはほとんど理解できなかった、悔しい。

「明日も頑張れる」的に安易に消費される作品でなく、脳みそに刻み込まれるような作品。