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参加メモ 『リチャード三世』劇評ワークショップ

『リチャード3世』劇評ワークショップ メモ

 

 

東京芸術劇場が主催する「『リチャード3世』劇評ワークショップ」に参加してきました。

講師が尊敬する谷賢一さんということで、開催を知った瞬間に即申し込み。

 

講義&事前に参加者が書いてきた劇評をもとに議論形式で約2時間。参加者は12人。

講義進行のメインは谷賢一さん。総括として小劇場ワンダーランドを運営されていた北嶋孝さんが最初と最後に話されていました。

 

同じ作品について複数人が書いた劇評を読み比べるという経験は初めて。参加者からは欠点を指摘するもの、視点が面白いものなど次々に意見が飛び交い非常に刺激的な時間。

 

誰が書いたかわからない匿名の劇評を批評するということで、割と忌憚のない意見がポンポンでていた。今回は1回きりの形式だったけど週に1回を半年とか続けることができればそうとうレベルアップできるのではないか。海外の評論文化事情は全く知らないけど、日本で感想以外の文章を高校までに教えられたことってそういえば記憶にない。感想だって文章の技法とかを教えられるわけではない、常識的で当たり障りのない答えを暗に求められる謎の時間だったし。

 

作品が観客を育て、観客が作品を育てるそんな土壌ができるにはまだまだ時間がかかるなぁと講座を終えて思いました。しかし、本当にこの講座、月一で有料いいから続けてほしい(言い忘れましたがこの講座、無料でした。東京芸術劇場太っ腹すぎる)

 

下記に簡単にメモを残しますが、谷さんが話されたことと、北嶋さんが話されたこと、参加者の意見がごっちゃになっているのであくまでもこんなことが話されていたという参考程度にしてください。また、私が誤解している可能性もあるのでその点ご注意ください。

 

〇英国と日本の劇評文化の違い

・英国では毎月、様々な媒体に書かれた劇評が“Journal”という形で数十年にわた地発行されている。

・英国は劇評家にファンがつく劇評レベルの国

・日本で新聞などの劇評文化が育たないのは読み手がそれをもとめていない可能性がある

・Gurdianでは5つ星制で評価している。賛否別れるところだが覚悟と信念をもってやっていることであればいいのではないか

 

〇いい劇評とは

なにをもっていい劇評とするか参加者で意見交換

参加者からの意見

  • 読み手にどのような舞台だったのか「事実」を伝える

(参加者提出の劇評の中に舞台で演じられたものと異なっている点があった。資料としての価値も考えるとあってはならないこと)

  • 観に行きたくなる劇評(ここは議論が分かれたポイント。観に行きたくなくなるような劇評にも価値があるのではないか。)
  • 舞台の「価値」を論じる
  • 信頼できる書き手が書いた劇評

 

谷さんが思う「いい劇評」

①観客に別の視点を与える劇評

※舞台の価値を論じることとは似ているようで別物

②劇評自体が読み物として面白い劇評

 

〇その他メモ

・劇評その他、何かを論じる際に「独特」という単語は決して使ってはならない。何かを言っているようで何も言っていない言葉の代表例(「普遍的」も同様)

・字数は絶対に守ろう(参加者の中に1000字という制限を守らなかった人がいて、厳しく指摘される。なににおいてもまず条件を守ることが書き手の覚悟として必要)

・劇評書き手のどろどろしたものが垣間見えるものが個人的には好き

・自分では思っていないものの複数人に同じことを指摘される点は決定的な欠点である場合が多い

・作品において違和感がある瞬間こそが演出家・作品を読み解くヒントになる