マーケ担当の七転八倒

転職して広告代理店に勤める戦略マーケ担当の備忘録

【鑑賞記録】『猿の惑星: 聖戦記』

 

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原題:War for the Planet of the apes

公式サイト: http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-g/sp/introduction.html

 

 

あらすじ

高度な知能を得た猿と人類の全面戦争が勃発してから2年後。シーザー(アンディ・サーキス)率いる猿の群れは森の奥深くに身を潜めていたが、ある夜奇襲を受け、シーザーの妻と年長の息子が落命。敵の軍隊を統率する大佐(ウディ・ハレルソン)への憎しみから、シーザーは仲間たちを新たな隠れ場所に向かわせ、穏やかなオランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)やシーザーの片腕的な存在のロケット(テリー・ノタリー)らを伴い復讐の旅に出る。道中、口のきけない人間の少女ノバ(アミア・ミラー)や動物園出身の奇妙なチンパンジー、バッド・エイプ(スティーヴ・ザーン)を加え、大佐のアジトである巨大な要塞にたどり着いた一行。しかし復讐心に燃えいつもの冷静な判断力を失ったシーザーは、執拗に彼を狙う大佐に捕獲されてしまう。そこで新天地に向かったはずの仲間たちがこの刑務所のごとき施設に監禁され過酷な重労働を課せられていることを知り、責任を痛感したシーザーは大切な仲間を希望の地へと導くため、命がけの行動に出る。(映画Walkerより)

 

 

感想

 

壮大な神話を観ているようでした。。。

 

旧作はもちろん新シリーズの『猿の惑星:創世記』『猿の惑星:新世紀』もすべてチェックする程度に好きなシリーズ。

特に新シリーズのシーザーという英雄の伝記のような語り口が大好きで本作『猿の惑星:聖戦記』の予告編を観たときから心待ちにしていた作品。

 

回を重ねるごとに貫録を増していく主人公の猿、シーザーの頼りになる兄貴感を常に感じたく、スマホの待ち受けが↓になるくらい待ち焦がれていました。

 

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メタルギアシリーズの監督・小島秀夫さんが記事の中で言及しているように(小島秀夫が観た『猿の惑星』)、最近のハリウッド大作では「リアル志向」を求めるがゆえに、実際の出来事をもとにした作品が増えている中(それが悪いわけではないです、当然)、進化した猿が人間に代わって地球を支配する、なんていう荒唐無稽な作品を、主人公シーザーのごとく貫録たっぷりに語ってくれるのが『猿の惑星:創世記』から始まる新シリーズ。公開当時はよくあるリブート物のひとつ、くらいにしか思っていませんでしたが、人類史まで射程に入れ「人間とは何か」を語る骨太作品になっており度肝を抜かれました(2001年の黒歴史ティム・バートン版『猿の惑星』があったので期待値が下がっていたのもあります)。

 

猿の惑星』という壮大な背景・設定を持ちつつ語られるのは、あくまでも主人公シーザーとそれを取り巻く/対立する猿と人間の限られた空間・時間の中での話。ただ、その中で徹底的に登場人(猿)物が掘り下げられる。

 

彼ら/彼女らが抱える動機・背景がどうしようもなく対立し、やがて悲劇的な結末を迎えていくその過程に今の世界が抱える矛盾が刻み込まれていて、神話を観ているような普遍性を感じました。

 

とはいえエンタメ要素とのバランスも物凄くすぐれていて、コメディ・リリーフとして登場するには普通に劇場で爆笑が起きていたし、ノバとの交流も陳腐な表現ですが、ほっこりしました( ;∀;)

 

個人的に一番ぐっと来たのは、予告編で観たときには圧倒的ラスボスとして主人公たちの前に立ちはだかるであろう「大佐」の苦しみと最期。

どうしようもない流れの中で、ほかの道を選べなかった男の哀しさに正直シーザー以上に感情移入してしまった。

 

(予告編で観たときはできるだけ苦しんで○○べしと思って、本当にごめんなさい)

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伝説的傑作のシリーズでありながら、こんなに志にあふれていて、かつエンタメとしてのバランスも優れている作品を作り上げたマット・リーブス監督と役者・スタッフの方々に心からの経緯と感謝を。本当に面白かったーーー!!